2011年9月23日金曜日

言葉の違い そのさん

もう一つ、時々自分が考えるのは

「オタク」と「マニア」と「通」は何が違うのか?ということである。

先程から書いている言葉とはちょっと毛色が違うし、ともすればしょーもないことを考察しているのかもしれないが、オタク・マニア・通の違いをよくよく考えてみると、(後述するが)研究という世界の中で自分がどうあるべきかという命題にも繋がってきて存外面白い。

これら三つの言葉については、そもそもオタクと通は日本語起源である一方、マニアは英語起源なので、これらを厳密に区別して定義することは難しいし、実際厳密に区別して使われているわけでもないので、解釈も人それぞれである。

その上であくまで便宜的に区別するのであれば、その場合重要になってくるのは、あるジャンルの関連アイテムや知識の収集の度合い(input)と、その分野についての他者への説明の仕方あるいは他者からの印象(output)、という要素だろう。

オタクもマニアも通もあるジャンルに対し偏った嗜好を持つ点では同じだが、inputとoutputを考えると、はっきりとした差があると思う。

まずinputについて、対象を「知識」だけに絞ったとして、興味本位で誰でもその気になれば簡単に得られる知識をもつだけに留まるのはオタクである。だが、マニアや通は、紙・電子・人からの伝聞などあらゆる媒体からの情報を収集し、さらに自分独自の経験に裏付けされた知見も有するレベルの人間でなくてはならないだろう。

次に、そしてもっと重要なのは、他者(特にその分野に興味のない人間)へのoutputの違いである。

自分の興味のある分野について語ったときに、当該分野に興味も持たれず、自分の熱意も理解してもらえないのは、自分が説明も下手糞で知識も半端なオタクだからである。反面分野自体にはさほど興味は持たれないが、その分野に対する自分の熱意や造詣の深さ、あるいは自分のもつ知見の正当性をある程度認めてもらえるのがマニアである。さらに、マニアレベルのバックグラウンドに加え、自分が話したことによって相手にその分野に興味を抱かせるまでの影響を与えることが出来るのが通である。

例を挙げれば、ある怪獣映画について語ったときの他者の反応が、

「何話してんのかよく分からないし、興味ないし、キモい(笑)」なのがオタク。
「興味はないけど、この人は凄く色んなことを深く知ってるんだな」なのがマニア。
「面白い話を聞いた。今度自分も見てみようか」なのが通。

だと思う。

ところで、研究者という職業はオタクやマニアや通といった人種と同じ類のものである、というのが自分の考えである。そして、上述したオタク・マニア・通の区別を鑑みると、研究者として生きていくためには、その道の「通」になるべきだ、という考えに至る。

オタクであることに留まるのは論外である。そのレベルでは知識や経験の欠如、説明能力の欠如により、そもそも論文を書くことができず、職業ではなく単なる道楽で終わるのが関の山である。

マニアであるところまで登り詰めることができたなら、ある程度論文は執筆出来て、自分の専門分野に近い限られた分野で生きていくことは可能かもしれないが、他分野の人間に認められない限り、知名度は上がらないし何よりカネが取れない、独り善がりのままである。

他分野の研究者、ひいては一般人にも自分のやっている研究の興味深さや意義、そして自分の実力をアピールでき、「この分野のことならこの人に聞けばいい。きっと何かが得られる」、そんな通の人間になることが出来れば、色んなところから資金やコネクションを獲得し、自分の研究生活をより豊かにするための糧とすることが出来るだろう。

私はそんな通になりたい。

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