2012年8月9日木曜日

PROTIST2012参加記~後~

8/1 (三日目)

JLの新奇トリパノソーマ(CL13だっけ?)の話とか、ICのトリコモナスのdiversityの話とか、Excavataのセッションは解析的なことはあまり無かったけど見てて飽きませんでした。

Rhizariaのセッションであった放散虫と有孔虫の18S+28S系統解析の話は自分とI谷さんが論文書いてた同時期に競合してたものですが、有孔虫が放散虫にネストしてて自分たちの結果とは違っていましたね。解像度はあまり良くないようでしたが。

この日はsightseeingがあったけど、バイキング博物館には興味なかったんで一人でオスロ市街を散策。ちょっと迷ったけど犬の散歩してたお姉さんとかに道を聞いたりして記念墓地に行ったりしてました。

記念墓地では「人形の家」とかで有名なイプセン(FF9にも出てましたねw)の墓などを見て回りました。



親切なお兄ちゃんから「WW2ナチスドイツ侵略時犠牲となった英雄がここに埋まっているんだ」的な話を聞いたりもしました。戦争の傷跡はどこにもあるんだねとか思いながらも、街のおもちゃ屋ではドイツ侵略を見立ててノルウェー全土を攻略しよう!みたいなボードゲームがあってよくわからんかったり。まあ戦争をネタにゲーム作っちゃう部分については日本も言えたもんじゃないですけどねw

あと、街を回っているときに偶然仙台から来たというママさんコーラスの指揮者と事務員の人と会いました。来年オスロでコンサートを開くらしく、その下見にとのこと。どこでやるのかと聞くと、市内の大聖堂ではお金を払えばキリスト教徒以外でも場所を提供してくれるとのこと。随分寛容なイメージです。

ウィーンでもコンサートをやったらしく、最近のママさん倶楽部の力強さを感じましたw名刺交換もしたので、いずれの機会にかコンサートを見に行くことが出来れば良いなあと思います。

その日はその人たちと一緒に夕食(スチームサーモン)とSOLをご一緒した後ホテルへ行き、次の日の自分の口頭発表に備えました。

(この日には別の大事件もあったけど、ここには書けないしネタとしての新鮮味が薄れるので来年か再来年の当人の口頭発表デビューを楽しみにしておくことにしましょうwでも笑い事にできるくらいで収束して良かった・・・)

8/2 (四日目)

この日はなんといっても僕の英語口頭発表デビューの日です!(それ以外に何があるというのですか?)

といっても、僕以外のMEM関係メンバーは全てパラレルセッションの別の方(ミトコンドリア)に行っていたので、508の人以外は誰も僕の発表を見ていないんですけどね(悲)

まあそれでも、自己評価としてはかなり上手く出来たんじゃないかと思っています。発表4時間くらい前に「この会場の雰囲気原稿読んでいいかんじじゃないよね」とプレッシャーかけてきたYG先生の期待(?)に添えるよう言うことは覚えて原稿見ずにいけたし、時間内には終わったし、一番労力使ったんじゃないかと思うくらい準備したジョークも受けたし(ホントですよ!)。でも研究自体はやっぱりISEP関係の人には受けが良くなかったですね。質問も深く突っ込むようなものはなかったし。やっぱこういうところで発表するなら実データ解析寄りのものがいいんだろうなと感じました。

んで、この日はBanquetにも参加。

こんな感じ↓の、Tシャツジーンズのクロッカス装備で来てええんかと思うくらい立派なホールでコース料理を堪能しました。ワインうめぇ。サーモンうめぇ。ダックうめぇ。ウェイター?に「パンのおかわりない?」とか聞いて3つも取っちゃう恥知らずな日本人学生(俺)。




いやあはるばるノルウェーまで来た甲斐ががありましたねw

8/3 (最終日)

この日はPhylogenomicsのセッションのみ。といっても、発表の中には”解析的に”自分が面白いと思うものはありませんでした。

なんていうか、Protist関連の系統解析ではデカイデータを用意しても、結局は「あれこれこういうバイアスがあるかもしれないからデータどんどん削っていって”クリア”だと思えるくらいの落としどころに持っていて結果を出す」というところに終始している気がします。もちろんgene samplingのスカスカなデータはどうしようもないので除いていくより他はないですが、それ以外の実質配列データはあるものの、組成がおかしかったりロングブランチだったりで除かれていく配列が、とても”もったいない”のです。

まあこの「“クリア”だと思える」ってところも既に解析をする側の恣意が入っていて問題があるっちゃあるんですが、それは置いといて・・・

現在の計算機環境から言えば、「バイアスをデータごと無理くり排除してシンプルなモデルで解析する」のではなく「バイアスをバイアスでなくシグナルとして正当に評価することができるモデルを使って、なるべく情報量の多いデータで解析する」ことは十分可能なはずです。勿論そういうことが分かってやっている人も多くいると思いますし、よく見るPhyloBayes解析は(もっともシンプルなやり方とはいえ)その一つでしょう。でも、我々はもっと積極的に、複雑なパラメータをもつモデルを、SSU遺伝子配列データなどの小規模なデータからゲノムレベルの巨大なデータまで、幅広いデータ群に対して適用するべきだと思います。

データに対して適宜パラメータ(系統間で変化するパラメータの種類・数、どこで変化させるか、そのbreakpointの数・場所など)の調整を行い、モデル選択の情報量基準をもってして”適切な”モデルを選択し、系統樹を推測する。

それがProtist分野での現時点の解析であまり行われていないのは、解析のテクニックについて知っている人が殆どいないからだと思います。

複雑なモデルを上手く扱うことが出来れば、今までのシンプルな解析ではよくわからなかったもの、ある生物や遺伝子の進化の歴史の詳細やそれこそ真核生物のrootまで、グレーゾーンとして扱われてきたものが(少なくとも系統解析という分野では)明らかになるチャンスが生まれるかもしれません。

系統解析はすでに次のパラダイムシフトを迎える時期に来ているのではないかと感じています。みんながこぞってML法を使い出したような、大きなステップアップが出来るような、です。

データとしてはそれが出来るようになっています。あらゆる生物種から取られた大規模データこそ、複雑なモデルを要求するものです。

計算環境としても十分なはずです。並列計算機ならば誰でも100万くらい出せばそこそこのものは買えるでしょうし、少なくとも筑波大の我々のグループにはスパコンを使えるという十二分な環境が揃っています。

あと必要なものは、複雑なモデルを並列計算で使えるようにするソフトウェア的な改善と、使う側の人間の知識です。


そして、(あくまで自己評価ですが)、僕はその、「系統解析が次のステップに進むために」一番必要なことが出来る環境・立場にいると思っています。

だからこそ、先陣切って大規模データを複雑なモデルを使って解析し、徹底的にパラメータを調整し、これまでとは異なる新規性のある結果を出したいです。
それで、次のISEPとかにでもその結果を出して、「いい加減ちまちました解析なんざやらないで次のステップに進もうぜ」的なことを言いたい。これが野望ですねw

(そのためにもまずは今扱っているプログラムの並列化を終わらさなければ・・・)

・・・とまあ、全体としては上のようなことを感じた学会でしたが、実際国際学会ででるデータ解析がどれほどのものなのか、それを感じられただけでも今回の収穫としては十分だと思います(Evolutionとか行くとまるで違った印象を受けるかもしれませんが)


余談ですが、最終日は早く終わったので、土産物探しをするMEMグループからは離脱し、一人で趣味のカードゲーム(MTGというやつです)の大会に参加してきました。全世界規模でプレイされてるものなので、ノルウェーにも毎週金曜日の夜にあるイベントがちゃんとありましたw

その日あったドラフトというフォーマットについて現地の参加者が殆ど練習してないようでしたので、筑波大のサークルや社会人の人と毎週のごとく練習している僕にとっては狩り場同然でしたね(ドヤァ


8/4 (帰国日)

Y崎N村と共に帰国。

成田行きの飛行機の中で液晶パネルが壊れ、ゲームも出来ずふて寝していると気持ちよくなったところでCAに起こされ、結局パネルが直ることもなく散々だったY崎。眠いおーつまんないおーご飯まずいおーの三重苦。僕は帰りの中でもずっとシュタゲしてたのであんま関係なかったですけどねw

帰国後は真っ直ぐ家に帰り、2時間ほど仮眠して上に話したMTG仲間と飲み会。二次会まで行って身体ボロボロw


と、こんな感じであっという間に1週間過ぎていった感じでした!
次のICOP, ISEPは両方カナダなので、もっと楽しみですね!行くに値するデータを頑張って出します!

あ、ちなみに僕は今日から約1ヶ月間福岡に帰省します。
長期休暇とって車の免許を取得してきます。
あとは次の論文の原稿書いたりプログラム弄ったりしてます。

それでは皆様また1ヶ月後。よい夏休みを~

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